株で儲かったので中古車販売員の待つコインパーキングへ向かったら新車のN-VANを買っていた話

  • 2021-10-25
  • 2021-10-27
  • 日常

ー前回までのあらすじー

新型コロナワクチンの副反応により高熱に冒される9月某日、朦朧とした意識下で人の生とは何なのか思い巡らせた末、人生とは旅なのではないかという一つの結論に至ったが、人類の代表的な足である車を所持していない事に気が付き、資金を貯めるため株取引を始めたのであった!

資金の確保

今すぐにでも車が欲しいため波の荒いIPO銘柄を中心に投資することにした。元々開設していた楽天証券が開示している利益率ランキングを見て前日に10%以上伸びている銘柄をピックアップしてみた。また、2ちゃんねるの株式板を見て周り、注目されている銘柄を選定した。

短期の取引は初めてだったが「昨日伸びたなら今日も伸びる確率の方が高いだろ」という大雑把な考えの元、総資産の50%を2つの銘柄に投資した。結果、運良く数%だけ伸びてくれ、数万円だけ資金を増やすことに成功した。1日という短い期間、そして働かずに数万円も増えたことに感動し、もしかしたら本当に増やせるかもしれないと思い、翌日から本腰を入れて短期取引を開始した。

まずは2ちゃんねるの株式板で情報を集める。とにかく名前の挙がった銘柄に関して直近3ヶ月程度のチャートを確認し、上昇トレンドであればとりあえず100株だけ買ってみる。テキトーに閾値を決め、含み損が大きくなりすぎないように逆指値をセットして放置。引け後に成果の確認。トレンドに従っているのでなんとなく利益が出る。

しかし、目標とする金額までは遥か遠く、このままでは年末までかかってしまう。

 

焦燥感と高揚感から

「短期取引なんて銘柄の分析よりもスピード感や勢いが重要でしょ」
「株なんて上がるか下がるかの二択じゃん」

というギャンプルの領域に突っ込んでいった。

 

全部で10銘柄程手を出したが、最終的にはとある1銘柄に総資産の96%を投資していた。

 

 

完全に運によるものだが、この銘柄が大当たりし、わずか3日間で購入資金ができた。

株って怖い。

 

p.s.
もっと資産を増やしてやろうと株を保有し続けていたがこの記事を書いている前日に暴落し、30分で30万を失ったので全て現金化した。

株って怖い。

 

中古車販売員との出会い

車の購入資金が貯まったので中古車を探し始めた。

ターゲットは「N-VAN STYLE FUN・ターボ」の「ガーデングリーン・メタリック」

「カーセンター」と「グーネット」というサイトから検索したが、なかなか見つからない。

とある中古車販売会社が行っている、市場には出回っていない中古車を提案してくれるサービスを利用することにした。名前・電話番号・予算購入予定の車名を入力すると、5分と経たずに電話が鳴った。申し込み前に、電話がかかってきて面倒だという口コミは見ていたが、いくらなんでも早すぎんだろと思いつつ電話にでた。

どうやら自宅近くの営業員が家に訪問して在庫を見せるということらしいが、家は片付けるのが面倒なので外で会うことにした。

 

翌日の昼、電話がかかってきた。車で向かうので、近くにコインパーキングがあるかと聞かれた。

「あったと思います。場所は覚えてませんが」と答えると、「分かりました。駐車してから行くので少し遅くなります」と言われた。

普通は駐車と徒歩の時間も考慮して出てくるのでは?と思ったが、アマプラで閃光のハサウェイを観ていたので遅くなっても問題なかった。むしろ今は良いところだから来ないでほしい。

 

30分後、スーツを着たスキンヘッドの営業員がやってきた。なぜか家に入ろうとしたので咄嗟に「ちょちょちょちょちょちょちょ」と言ったら「えっえっえっえっえっえっえっ」と言われた。

「家は無理なので外でお願いしたいって伝えたんですけど…」
「あ、そうだったんですね。聞いてなかったもんで。じゃあ近くのコインパーキングに車を止めているのでそこで話しましょう」

危ない。もう少しで心の中のハマーン様が「よくもずけずけと人の家の中に入る。恥を知れ、俗物!」と言いながらファンネルぶっぱなすところだった。

 

N-VANの中古事情

パーキングに停まっている黒塗りの車の助手席に乗り込む。(車に疎いので車種は分からん)

 

開口一番、「なんでN-VANなんですか?」と聞かれた。

僕は「人気あるしYoutubeでも動画が多くて見ていたら欲しくなったからです。車中泊できるスペースもあるし」と答えたが、その心中はざわついていた。

そう、ニュータイプの素質がある僕にとって、この質問は「N-VANの在庫無いんで今から他の車を勧めるからな」と聞こえたのだ。そして、その予想は的中していた。

 

会社内部のサイトに繋がったタブレットを見せてもらい、N-VANがいかに在庫が無いのか見せつけられた。

 

「N-VANは人気なのでなかなか在庫は無いんですよねー」

(2件しかないとか……少ねぇ……)

「それと、半導体不足で新車の供給が間に合っていないので、中古の相場も上がってるんですよね。ほらこれ、新車と変わらない値段なんですよ。HONDAのホームページには納車までに半年かかると書いてあるので、値段が吊り上がってるんですよね」

(うゥゥ……)

「N-VANは商用車なので一度買ったら使い潰す人が多いのでそもそもあまり出回らないんですよね」

(ばぶぅ……)

 

激推しのエブリィ

「N-VANの対抗馬としてはスズキのエブリィが一番ですね。アウトドアに使うならエブリィの方が広いですよ。エンジンの場所が(ry」

というように、彼は元からエブリィを推すためにやってきたらしい。N-VANが無いことが分かっているならその時点で教えてくれと思ったが、ひとまず話を聞くことにする。

しばらくエブリィについて語ってくれた後、客観的な意見を加えて説得力をもたせるため、営業端末から「車中泊 おすすめ ランキング」などでググっていたが、なかなかエブリィは出てこないようで、手こずっていた。

いや、エブリィが有利になるようなページのURLを手元に残しとけよ。

 

最終的には「車中泊 エブリィ」と検索していた。

ヒットしたページを見せてきて、「ほら、エブリィも便利なんですよ」じゃねーよ。

下手すりゃ「車中泊 アンパンマン号」でも出てくるわ。そんな検索。

僕の心の中のネテロ会長が「そりゃ悪手だろ蟻んコ」と呟いたところで、話し始めてから既に1時間を費やしていた。

 

車種に特別なこだわりがあるわけではないのでエブリィでも良いのだが、まだ営業員の感想しか情報がないため、エブリィを買う場合は一度持ち帰って再考する必要がある。

一方、N-VANは調べてきているので、この場で購入までいくこともできる。ここで買わない場合、最短でも一週間後、つまり地獄の5連勤を生き延びなければならない。それはつらすぎる。希望をもって月曜日を迎えたい。

 

「エブリィも座席がフラットになりますよ。縦幅は160cm程度ですね」

えっ、僕の身長は177cmなので長さが足りないのですが。

 

「大人の男性であれば斜めになれば寝られますね」

斜め!?

 

斜めは嫌なのでやはりN-VANで検討することにしてもらった。

 

N-VANの新車事情

先にも述べたとおり、中古車の価格が高騰し、新車のそれに近くなっている。また、HONDAの公式ページを確認すると、N-VANの納車は半年後と記載されていた。

この事実を知ったことで、端から見ても分かるほど僕の心は萎えに萎えていた。

 

半年後って、もはや別人じゃん……。今の気持ちが半年後まで連続している自信なんてないよ……。

 

どうしようか悩んでいると、エブリィ大好きスキンヘッド営業マンが上司に現状を説明すると言って車外に出ていった。

 

ここでずっと悩んでいるわけにはいかねぇ……! そろそろ決めなければ!

中古が出るのを待つか、半年後の新車を待つか。

前者は1ヶ月後かもしれないし、1年待っても手に入らないかもしれない。

後者は確実に手に入るが、最短でも半年後。

 

ざわざわ……ざわざわ……

 

選べねぇ! こんなリスキーな選択、選べねぇよ! 少なくともコインパーキングでする選択じゃねえっ!

 

でも……。でも……!。

 

決意

中古が出るのを待ちつつ他の車も探すという第三の選択肢も浮かんできた頃、吉報を携えてエブリィが帰ってきた。

 

「上司に確認したんですけど、よく取引しているHONDAさんの事業所に確認したら、二ヶ月後に納車できるN-VANが2台だけありました!」

「なっ!? ホントですか! それで! それでお願いします!」

「えっ? もうそれで確定ですか? 取消はできませんよ?」

「二ヶ月後に新車がくるならOKです!」

「ディーラーには行かなくて良いんですか? 皆さんディーラーと比較するんですけど…」

「大丈夫です。だって御社で新車買ったほうが得なんですよね? なら問題ないです。というか、ディーラーに行くの面倒なんで嫌です!」

「分かりました! いつもはディーラーに行くって言うお客さんを説得してウチで買ってもらうのですが、今日は逆ですね笑」

 

すっと表情が明るくなったエブリィが中古車を検索する端末から手書きの見積書に持ち替え、金額を記入していく。

 

「新車はほとんど利益にならないんですよねー。でもN-VANだったら正直新車一択ですね。値段も変わらないですし」

「ですよね。納期がネックでしたが二ヶ月後ならむしろ早いですね!」

 

半年後の納車が二ヶ月になったのでめちゃくちゃ納期が短く感じるという、セルフ・ドア・イン・ザ・フェイスみたいな状態になっており、勢いで新車のN-VANを注文していた。

その後、オプションをいくつか選び、見積書の金額を確認して、注文書にサインをした。

 

まさか人生初の新車をコインパーキングに停めている車中で買うことになるとは、夢にも思わなかった。

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